開設にあたり、自己表現について。

2024年03月20日

最近は、人生の暇つぶしとしての趣味をはじめることが増えてきました。

自己満足ができるものが趣味だと気づいたのはほんの最近の出来事で、 それまではなんとなく周りに認めてもらえるかどうかを重視していたところがあったように思います。 直接的にも認められるというよりは、これができるようになったことで自分が成長できて、 認めてもらえるといった漠然とした動機に突き動かされていました。

登山を趣味にしていたころは、どちらかというと下山したあとの温泉を楽しみに頑張っていました。 たまたま旅行に二か月連続で行くタイミングがあり、なんとなく登山と同じように温泉を旅行に組み込んでいました。 その二か月目の旅行を終えた後、「もしかしたら自分は温泉が好きなのかもしれない」と思いつき、2023年の目標で「月1で温泉旅行をする」を掲げました。 この直感は正しく、結果としてとても楽しいプライベート生活を送ることができました。 自分は温泉が好きなのだと、周りからどんなに否定されたとしても、胸を張って言えるようになりました。

なんとなく周りの目に触れるものに残しておきたいというのが人間の根源的な欲求なのでしょうか。 温泉旅行にハマりはじめてから1年弱が経過したころに、温泉旅行を記録するサイト『静かに温泉旅がしたい!』を立ち上げました。 まだまだ開発を続けていく予定ですが、このようなサイトは本来必要なく個人的な日記としておいておけばよいものです。

その流れでなんとなくやっていた写真の趣味を本格化させました。 もともと写真には興味はありましたが、自分の温泉旅行のスタイルは人里離れた場所に出向くことが多く、「この感動を何とかそのままのこしたい」という思いでZ6iiとNIKKORレンズをいくつか購入しました。 何度か写真を撮っているうちに自分の中で成長を実感したり、満足したりすることができるようになりました。 友人に見せたりして言語化してもらったり、評価してもらったりすることで内省を深めることもできました。 今年2024年は最低一枚をフォトコンテストに応募することを目標にしています。 結局人間というのは、周りの評価に触れることが喜びなのかもしれません。フィードバックは楽しいですよね。

ところで、写真はSNSにアップロードしたりすることなく、Google Photosにアップロードして暇なときに眺める程度に抑えていました。 SNSにアップロードするとどうしても自分の中で楽しめなくなりそうな気がしたからです。 いいねの表示が0件のものを見ながらアップロードしていく必要はないのかもしれません。 前述したとおり、人に見せずとも上達した実感を持つことができています。 何度も撮っていくうちに納得いかない写真の数がどんどん減っていくからです。 僕が好きなYoutuberの方がこれを「打率」と呼んでいますが、まさに打率が上がったのです。

そこにアート性を見出したいと思ったのはつい最近のことで、ようやく自己表現の手段の一つとして捉えるようになりました。 自己表現というのは人に見てもらうことを前提にすることが重要な気がしてきています。 見てもらうことそのものではなく、見られることを意識することが大変重要です。 自分というのは他人との境界があってようやく成り立つものだからです。

自分が撮りたい写真と他人が撮った写真には大きな違いがあることがわかり、これを自己だと認識できるようになりました。 こうした自己表現の上で、他人と交流することで、さらに自己を高められるのではないかと思うのです。

定年退職の年代まで、人生の折り返し地点にたってきました。 今までは仕事や学業に一生懸命に取り組み、様々な挫折を味わってきました。 確かに周りに流されて生きていくような人生ではなく、なんとなく自分らしさというのは意識しないところで確実に成長してきているように思います。 これからの人生はどちらかというとこのようなアートに対してコミットできるような生き方をしていきたいです。

当サイトのメインコンテンツは写真のギャラリーですが、これを中心に自己表現の場としてさらに充実させることができれば幸いです。